建設業の手当の種類と設計|資格手当・現場手当・役職手当の決め方

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建設業の手当とは、基本給では表しきれない役割・負担・環境への対価として支給する賃金です。資格手当・現場手当・役職手当などが代表的で、それぞれ目的を明確にして設計することが重要です。目的の曖昧な手当が増えると、賃金全体が複雑になり、見直しも難しくなります。本記事では、建設業の手当の種類と、それぞれの設計の考え方、手当と基本給・評価とのバランス、見直しのポイントまでを解説します。

▶ 賃金・等級制度の全体像は建設業の賃金・等級制度の作り方/賃金テーブルはこちらの記事で解説しています。

手当とは何か(基本給との違い)

賃金は大きく「基本給」と「手当」に分かれます。基本給は等級や評価に連動する賃金の中心部分で、手当は特定の役割・資格・環境・負担に対して上乗せする賃金です。手当は目的が明確な分、公平性を担保しやすい一方、増えすぎると賃金の透明性を損ないます。基本給と手当のバランスを意識した設計が求められます。

基本給と手当の役割の違い

基本給は等級・評価に連動する「賃金の土台」で、昇給の中心になります。一方、手当は特定の役割・資格・環境・負担に対して支給する「上乗せ」で、目的が明確なほど公平性を保てます。両者の役割を分けて考えることが、分かりやすい賃金設計の第一歩です。

▶ 参考:賃金構造基本統計調査(厚生労働省)

手当が増えすぎることの問題

目的の曖昧な手当が積み重なると、賃金の全体像が見えにくくなり、見直しも難しくなります。手当は「なぜ支給するのか」を説明できる範囲にとどめ、役割が重なるものは基本給への統合を検討します。

区分性質設計のポイント
基本給等級・評価に連動する土台昇給の中心に据える
手当役割・資格・環境への上乗せ目的を明確にして限定的に

建設業で使われる主な手当

建設業では、業務の特性に応じたさまざまな手当が使われます。代表的なものを整理します。

資格手当

施工管理技士や各種技能資格の保有・活用に対して支給します。自己研鑽を促し、会社の技術力・受注力の向上にもつながります。

現場手当・出張手当

遠方現場や特殊作業など、負担や環境に応じて支給します。負担の大きさに見合った処遇で、公平性を担保します。

役職手当

職長や管理職としての責任に対して支給します。等級・評価と整合させることが重要です。

その他の手当

通勤手当、家族手当、住宅手当などがあります。会社の方針や福利厚生の考え方に応じて設計します。

手当目的
資格手当技術力・自己研鑽の評価施工管理技士・職長
現場手当・出張手当負担・環境の補償遠方・特殊作業
役職手当責任への対価職長・管理職
生活関連手当生活の支援通勤・家族・住宅

▶ 参考:就労条件総合調査(厚生労働省)

イメージ事例:横浜市の従業員26名のI建設では、資格手当・現場代理人手当・危険作業手当などを整理して支給しています(想定の目安額)。

手当の例想定される月額の目安
資格手当(1級施工管理技士)2万円程度
現場代理人手当1.5万円程度
危険作業手当(日額)500〜1,000円程度
家族手当(配偶者+子1人)1万円程度

手当を設計するときの考え方

手当は「なんとなく」で決めると、あとで見直しが難しくなります。次の考え方を押さえると、目的が明確で運用しやすい手当になります。

目的を一つに絞る

一つの手当に複数の目的を持たせると、判断がぶれます。「この手当は何に対して払うのか」を一つに絞って定義します。

評価・育成方針と整合させる

資格手当を設けるなら、評価でも資格を重視するなど、手当と評価・育成の方針をそろえます。ばらばらだとメッセージが伝わりません。

支給条件を明確にする

誰が、どんな条件で、いくら支給されるのかを明文化します。曖昧な運用は、不公平感の原因になります。

▶ 参考:毎月勤労統計調査(厚生労働省)

手当の乱立を防ぐ

過去の経緯で残っている手当や、目的の重なる手当がないかを点検します。手当が多すぎると、賃金全体が複雑になり、社員も理解しづらくなります。目的の重なる手当は整理・統合し、必要に応じて基本給に組み込むことで、シンプルで説明しやすい賃金構造になります。

定期的に点検する

賃金制度の見直しに合わせて、手当も点検します。時代や事業に合わなくなった手当は、見直しの対象です。

イメージ事例:手当の種類が12種類まで増えていた川崎市のJ建設(32名)。目的が重複する手当を整理して5種類に統合した結果、給与計算の事務工数が月あたり約3時間削減され、社員からの「これは何の手当か」という問い合わせも大きく減った、という想定です。

基本給と手当のバランス

手当が厚すぎると、賃金の中心があいまいになり、評価に応じた昇給の余地をつくりにくくなります。逆に基本給を中心に据えると、頑張りが賃金に反映される分かりやすい構造になります。会社の方針に合わせて、どこに重心を置くかを決めることが大切です。

設計特徴
基本給中心評価に応じた昇給がしやすい
手当が厚い目的別に払えるが複雑になりやすい

イメージ事例:基本給が低く手当で補っていた横浜市のK建設(18名)では、基本給の割合が全体の6割程度にとどまっていました。基本給が低いと退職金や社会保険の算定に不利になる場合があるため、手当依存を見直し基本給の割合を7〜7.5割程度に引き上げる方向で検討した、という例です。

手当と残業・2024年問題の関係

手当の設計は、割増賃金の計算にも影響します。手当の一部は割増賃金の算定基礎に含まれるため、2024年問題による割増賃金率の引き上げのなかで、手当のあり方も見直しの対象になります。残業前提の賃金構造から、基本給・評価を中心とした構造への転換とあわせて、手当も整理することが求められます。

割増賃金の算定基礎に注意

手当の多くは割増賃金(残業代)の算定基礎に含まれます。手当が増えると残業単価も上がるため、割増賃金率が引き上げられた2024年以降は、手当の構成がコストに与える影響がより大きくなっています。

イメージ事例:ある会社では資格手当を割増賃金の計算に含めていませんでした。退職者からの指摘で誤りが発覚し、過去2年分をさかのぼって数十万円を追加支給する事態に。手当の扱いを正しく設計していなかったことが原因でした。

▶ 参考:働き方改革(厚生労働省)

よくあるケース(想定事例)

手当の設計が場当たり的な会社では、次のようなケースがよく見られます。

よくあるケース起きていること打ち手の方向性
手当の目的が不明確なぜ支給するか説明できず不公平感を招く各手当の目的・支給条件を明文化する
資格を取っても手当なし取得意欲が下がり技能者が育たない資格手当で取得を後押しする
固定残業代と混在割増賃金の計算が不透明になりトラブルの元手当と割増賃金を切り分けて設計する

手当や休日など労働条件の傾向は、厚生労働省「就労条件総合調査」で確認できます。数値は年により変動するため、最新値は公式サイトでご確認ください。

残業前提から役割・成果ベースへ

「残業して稼ぐ」構造から、「役割と成果で処遇する」構造への転換が求められます。手当も、時間や慣習に基づくものを見直し、役割・資格・責任に基づくものへ整理することが望ましい方向です。

観点2024年問題を踏まえた対応
割増賃金手当が算定基礎に含まれる点を確認
賃金構造残業前提から基本給・評価中心へ
手当の整理目的の薄い手当は統合・見直し

どの手当が割増賃金の算定基礎に含まれるか、時間外労働の上限や割増率の詳細については、厚生労働省「働き方改革の実現に向けて」で確認できます。制度は改正されることがあるため、最新情報をご確認ください。

横浜・川崎の建設会社の手当設計を支援します

手当の設計は、基本給・評価・等級との全体バランスのなかで考える必要があります。横浜市・川崎市の建設会社であれば、地域相場や現場の実態を踏まえた手当・賃金の設計をご提案できます。まずは無料相談で、現在の手当を一緒に点検しましょう。

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導入企業のお客様の声・大畠工務店様

小田原市

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お客様の声

HR系大手コンサル会社が作った人事評価制度を導入し、経営理念も新たに策定しましたが、社内が一向に良くならない時に守田さんに相談に乗ってもらいました。そして、人財が育つよう組織作りを見直し、人事評価制度も見直しを行いました。

今では最年少の社員が一日も早く現場監督になろうと目を輝かせていて、経営理念が社内に浸透してきていることを肌で感じることが出来るようになり、「成長の見える化」が本当に大切だと実感しています。


守田のコメント

人事評価制度や経営理念を策定したことに満足せず、組織風土が変わることに徹底的にこだわり抜いた大畠社長の経営者の想いの強さが社風を変える大きな要因となりました。

何でも自分一人でやろうとせず、経営者がやるべき「戦略の立案と人材の育成」に集中したことで、若い人たちがどんどん成長していく仕組みが動き始め、今後が楽しみです。

有限会社フェニックス 代表取締役 守田明

横浜市

(株)ニプラ 様
星野社長

お客様の声

業界の抱える課題解決に向けて起業し、ビジネスも軌道に乗り始めた中で以前より親交のあった守田さんに人材育成の仕組みづくりについて相談に乗ってもらいました。

自社の強みを活かした「戦略の立案」について相談し、社員が自分で成長を目指す人事評価/給与制度を導入する支援をしてもらいました。

今では、営業職として成長意欲の高い若手社員が入社してドンドン成長していく姿を見守ることが楽しみになっています。


守田のコメント

まだ本当に少人数だった頃から「社員が自主的に行動を起こす人事評価が欲しい!」とお声掛けいただきました。

「営業職として成長する未来」を実感している星野社長だからこそ、提案営業を志望する若手社員が大きく成長できる環境づくりに貪欲に取り組んでいて、社長と社員の好ましい関係性が「逞しい営業マンづくり」につながっているのだと思います。

有限会社フェニックス

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営業時間

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定休日

土日祝

電話番号

045-298-1180

住所

〒223-0057 神奈川県横浜市港北区新羽町1172-1-501


会社沿革

株式会社日本LCAのフランチャイズLCA-Gとして

有限会社守田コンサルティング事務所創業(支援分野:経営・人事・営業)

株式会社ベンチャー・リンク主宰“ビジネスクラブ”として

『社長の道場(中小企業後継経営者育成塾)』開始

有限会社守田コンサルティング事務所を有限会社フェニックスへ商号変更

株式会社アドバンテッジリスクマネジメント代理店として

ストレス耐性対応採用適性検査・アドバンテッジインサイト取扱を開始

株式会社あしたのチーム代理店として

人事評価サービス“あしたのチーム”導入支援事業を開始

建設業など人材不足が深刻な業界に特化した成長人材育成・採用サービス開始

中小企業の社長が描く大きな夢・中期経営計画に、一人ひとりの社員が自分の夢・ライフプランを投影し何としても その夢を実現させようと真剣な努力を重ねることで、会社は経営目標を達成し社員も自分の夢の実現を実感できる。

そんな、会社と社員の理想の関係を創ることが私たちの使命です。

私たちは、あしたのチームの人事評価を中小企業に普及させることで、一人ひとりの社員の努力・働きが適正に評価される環境を提供し、働きがいを感じた社員が、会社の経営を我が事のように考え働くことで、働く喜びを実感できる会社づくりを支援していきます。

中小企業で働く人たちが、働く喜びを実感することで、笑顔が広がり、笑顔で子どもたちと接することで、家庭にも笑顔が広がり、子どもたちも早く働きたいと思えるような社会をつくっていくのは、私たち大人の責務です。

私たちは、事業を通じて得た利益は、適正労働分配率と公正な評価に基づき公正に社員に還元し、更なる事業の普及促進に向けた社会への還元を続けながら、会社の存続発展のために計画的に内部留保します。

そして、この国の基盤を支える中小企業で働く人たちが、誇りと喜びをもって働ける魅力あふれる会社のネットワークを神奈川に拡げていきます。

参考・出典(公的機関)

本記事の制度・数値に関する内容は、以下の公的機関の情報を参考にしています。制度の要件・金額・統計数値・実施状況は年度や制度改正により変わるため、実際の手続きや最新の数値は各機関の公式サイトで必ずご確認ください。 なお、本文中の「イメージ事例」は理解を助けるための想定シナリオであり、記載した人数・金額・期間などは実在の統計ではなくサンプルです。

よくある質問

Q. 建設業ではどんな手当が一般的ですか?
A. 資格手当・現場手当(出張・遠方)・役職手当・通勤手当・家族手当などが一般的です。会社の方針や現場の実態に合わせて設計します。

Q. 手当はどう決めればよいですか?
A. それぞれの目的を明確にして設計します。評価・育成方針と整合させ、目的の曖昧な手当の乱立は避けることが大切です。

Q. 手当が多すぎる場合はどうすればよいですか?
A. 目的の重なる手当は整理・統合し、必要に応じて基本給に組み込みます。シンプルな構造にすることで、運用も説明もしやすくなります。

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